現在建築業界は年度末という時期も手伝って、繁忙期を迎えております。
多くの現場に携わっていると、この時期は春休みのアルバイトなどで初めて現場入りした若い鳶の方を、ちょくちょく見かけるようになりました。アルバイトでも社会の荒波にもまれている姿を見ていると、心なしか同志として応援したい気持ちになります。
そのバイトくんとたまたま話す機会があったのですが、話しているうちに彼の中で大工と鳶職がごっちゃになっていることが気にかかりました。
確かに、どちらも同じ建築現場にいますし、違いが分からなくても不思議はありません。そのときはとくに指摘しなかったのですが、どこかで話しておくべきだったかなと思い、このような建築に関わる若い方に向けて、この二つの違いをまとめようと思い立ちました。
これからアルバイトで現場に入る方や、建築業界を志す方にとって、参考になってくれると嬉しいです。
■大工とは
大工は何をするのかというと、一般的には木造建物を建てたり、リフォームをしたりします。
なぜ木造? とここで思った方がいるかもしれませんね。
鉄骨造などは専門外なのかと言われると、できる職人さんもいるにはいるけど大工の仕事からは外れる、といったところです。
理由の一つとして、そもそも木材の取り扱いは難しく、専門性が高い点にあります。
木材は軽くて強度があり、加工しやすく安価です。
ついでに言えば、火事が起こってもそう簡単には燃えません。
一戸建て住宅で新築木造が今もメジャーなのは、建材として優秀だからです。
ただ、木で建てるには繊細な職人の技が不可欠。
木材は環境によっては湿気を吸って膨らんだり、乾けば反ってしまったりする性質があります。それを計算した上で、大きさをそろえて切り出する、カンナで削って微調整するなどをしなければならないので、手間がかかるのです。
現在は、資材を規定の大きさに工場で加工してしまうツーバイフォーなどの工法が広がり、一部の仕事は大工が担わなくても済むようになりました。それでも経験や知識が必要なので、今も大工は木造が専門なのです。
なお、家屋を専門とする大工以外に寺社仏閣などの修理を行う宮大工、鉄筋コンクリート造でコンクリートを流し込む型枠をつくる型枠大工など、さまざまな種類があります。
・必要な資格はある?
大工になるのに必要な資格や学歴はありません。
どちらかというと経験がものをいう世界なので、学歴よりも10年大工仕事をした経験のほうが重宝されます。
当方でも大工を募集中ですが、とくに資格・学歴を重視してはおらず、研修や実際の工事からイロハを学んでいってもらえたらと思っています。
ただ、建築に関する知識や資格はあったほうが、飲み込みやすいので有利でしょう。
ほかに図面を読み取れる力や計算力など、体力以外に求められる頭脳労働も少なくないので、続けられる人は限られるかもしれません。
■鳶職とは
鳶職とは、建設現場でとくに高所で作業を行う職人のことです。
よく知られているのは足場を組む足場鳶で、どのような建設現場でも必ずいます。木造・鉄骨造、さらに言えば新築・改修なども関係ないのが特徴でしょう。
また、建設現場に真っ先に入るのも鳶職で、現場内の安全を確保し、ほかの職人が仕事をしやすいよう環境を整えるのも職務のうちに入ります。
・鳶の種類
大工と同じように鳶職にも種類があります。
足場鳶
足場を組む鳶職です。
基本として、高さ2メートル以上の高さで作業を行うには足場を設置しなければなりません。そのため、どの建設現場でも必要とされる鳶職です。
足場以外にも建設現場に仮設の休憩所やトイレをつくったり、片付けや掃除をしたりもします。
鉄骨鳶
ビルの建設では鉄骨を用いますが、この鉄骨をクレーンで吊り上げて、組み立てていくのが鉄骨鳶です。
鉄骨を完全に固定するのは鍛冶工の仕事なので、鉄骨の組立てはあくまで仮止めですが、内容としては大工仕事の梁や柱を建てていく建て方とほぼ同じです。
重量鳶
大型の空調設備や給排水設備、電気設備などをクレーンを使って運んだり設置したりします。
ビルの屋上にこのような大型機器を設置するほか、エレベーターやエスカレーターの新設などを行いますが、ミリ単位での取付けを求められるので、高度な技術を必要とします。
・必要な資格はある?
鳶職に関しても、大工と同様に必要な資格・学歴はありません。
ただし、一部の資格はないと建設現場でできる仕事が限られてしまうほか、スキルアップの障害になることがあります。
代表的なのが玉掛けで、これはクレーンのフックに正しい手順で資材をくくり付ける・外すための資格です。こちらは大工であってもいずれ取得しておかないといけません。
鳶職は高所での作業が主なので、もし鳶職に就くとしたら玉掛けは必須ともいえるでしょう。
大工に比べると、計算力といったものは必要とされませんが、重量物の取り扱いが多いので体力のある人が重宝されます。
■大工ととび職の違いとは?
大工ととび職の違いについてまとめると、このような感じです。
・大工は木造建物を建てる職人で、繊細な技術が必要
・鳶職は多くの建設現場にいる高所作業の職人で、体力が必要
・大工は木造建築全体が専門だが、鳶職は建設業におけるほかの職人のサポートから鉄骨の建て方まで幅広い
・どちらも就くのに学歴・資格は必要ないが、玉掛けなどの基礎的な資格は取得しないと、仕事を任せられないことがある
■ヒロ建築では大工を募集中です!
ヒロ建築は新潟県長岡市にて、新築・増築・内装リフォームなどの住宅に関わる工事全般を承っております。
現在、いっしょに大工工事を行う方を正社員で募集中です。
学歴・経験・資格の有無は問いません。あれば優遇させていただきますが、大工にご興味がございましたらお気兼ねなくご応募ください。
なお、応募の際は下記の募集要項に目を通していただき、ご連絡いただけますと幸いです。
【電話】090-7943-9907
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